引き継がれる庶民のご馳走コロッケ-中華街に佇む神戸コロッケの魅力-

はじめて〜の〜チュウ♡君とチュウ♡ウフフフ♡  黄色く丸いコロっとした武士型ロボット。ロボットの彼ですら、愛してやまないのが、そう…コロッケ。

コロッケは昭和の食卓を語るには、無くてはならないおかずである。家庭の味といえば、コロッケ。肉屋の買い食いといえば、コロッケ。パンと言えば、コロッケパン。戦いに出向くにはコロッセオ。

揚げたてさくさくのきつね色した衣に、あつあつのマッシュポテトやクリーミーなコーン、カレー、かぼちゃを包み込み、油でカラッと揚げる。一口齧ると、ザクっとした歯ごたえと、じゅわっと程良く切られた油の風味。コロッケの具は無限。

昭和も平成も、コロッケは食卓の人気者であり、子供のヒーローだ。そして令和の今、引き継がれなくてはならないおかずであると筆者は確信している… のだが、コロッケについて熱く語るが、ついて行けないと感じた人は、筆者の独断と偏見で語る「中華街にひっそりと佇む「神戸コロッケ」がウマすぎる!」にスクロールしてヨダレを流していただきたい。

揚げ油のイロハ

コロッケのキーマンになる揚げ油は、温度の目安は180度~190度くらいが理想。高温でカラッと揚げたいが、あまり高温になりすぎると、中身が破裂して花咲きコロッケになってしまう。それに、焦げてしまったら、せっかくの食欲をそそるきつね色が台無し。真っ黒焦げの石炭コロッケじゃ… それはそれで香ばしいのかもしれないが…。

かと言って、あまり低温で揚げると、コロッケの衣が油を吸い込み、重くべたべたするので、温度には気を付けたい。揚げ上がったコロッケは、金網やキッチンペーパーのように、油のきれがいいところで、余分を落とす。そうすることで、衣がべたっとしてしまうことを避けるのだ。

揚げ油の温度

高温

180度~190度の温度の判断は、温度計が無くても察することができる。衣を少し油の中に落としてみれば良い。衣が軽く沈んでからすぐに、ぱっと浮かび上がって来ると180度~190度。魚のフライや天ぷらもこの温度が目安になる。

中温

中温は、170度くらいの温度のことを言う。この温度で揚げるのは、野菜の天ぷらやフライ。衣をこの温度に落としてみると、中間まで沈んでじきに浮かび上がってくる。

低温

そして160度~150度である低温は、衣が底まで沈みゆっくり浮かび上がってくる。この温度は、野菜の素揚げ等に使うことが多い。

王道コロッケ、向いているイモは

色々なコロッケがある中で、やはり王道ジャガイモは譲れない。ジャガイモにも種類があり、多く出回っている品種は、メークインと男爵だろうか。ごつごつとした男爵は、粉っぽい性質でふかすとホクホクしているのが特徴だ。潰すことを考えると、この男爵がもっともコロッケに向いているジャガイモと言える。形がくずれやすいので、潰すにも適している。

しかし、最近は「キタノアカリ」や、幻のジャガイモ「インカのめざめ」など、イモにこだわったコロッケもある。ここは甲乙つけがたい。黄色いくりくりの甘いイモを使うなら、ひき肉を混ぜなくても十分メインディッシュになる。

サクサクの秘訣

コロッケのさっくりした食感は、パン粉が決め手になる。細かい粒子のパン粉では、あのザクザク感は実現出来ない。パン粉の粗さによっても、仕上がりが変わってくる。例えば生パン粉を使うとサクサクに、普通のパンを砕いたものを使うと、ざくざくとした食感になる。

更に揚げ方によってもさくさく感は変わってくる。パン粉をまんべんなくまぶし、たっぷりの揚げ油でからっと揚げる。時間にして4〜5分。ポイントは高温の揚げ油。低い温度で揚げると、余分に油を吸い込んで、べたっとした食感に。外はかりっと、中はふっくら・とろ~り・ホクホクがコロッケの基本。

中華街にひっそりと佇む「神戸コロッケ」がウマすぎる!

中華街と言えば横浜ばかりが目立っているが、実は兵庫県神戸市にも中華街は存在する。赤い「THE中国」の門からは、賑やかな呼び声が。ホカホカそうな肉まんや、固そうな胡麻団子がなんとも祭り感があって心惹かれる。

門をくぐり奥へと進むと、洋風な建物に人だかりが…。「神戸コロッケ」だ。

中華街に、コロッケ。賑やかな周囲を見守るように、ひっそりと佇んでいる。が、存在感は抜群。揚げたてを手に、中華街を闊歩できる。この歩き食いは美味さを倍増させるスパイスだ。

これがまた、とにかく美味い。揚げたての衣は粗めでザクザクしている。さらに、使っている芋は「北海道の北見市端野町の男爵芋」。北海道の北東に位置し、昼夜の寒暖差が大きく雨が少ないので、男爵芋を育てるのに適している。でんぷん質でホクホクとした食感が自慢。北海道の芋の美味しさは、道産子の筆者が太鼓判を押す。

コロッケの種類も、期間限定でとろこるすきやき牛や、定番のじゃがいも、ずわい蟹のクリームなど選ぶに選べないラインナップ。筆者は「境港水揚げ紅ずわい蟹のクリームコロッケ」が好きだ。トマトソースがついてくるが、無くてもいける。ザクザクした衣に、とろりと滑らかなクリームソース。蟹の旨味があとを引く。

そして、期間限定「北海道産とうもろこしのクリームコロッケ」!とうもろこしのピューレが混ざったクリームに、粒の食感が何とも言えない心地よさだ。何よりとうもろこしの甘味に驚く。北海道のとうもろこしの美味さも道産子お墨付き。

この神戸コロッケ、兵庫県以外でも百貨店などでも販売しているので、ご興味あれば足を運んでみては如何だろう。

あゝ。兎にも角にもコロッケが食べたひ…。